なでしこジャパン、サッカーワールドカップ優勝おめでとう!!! |
湘北vs山王。
初出場のチームと、公式戦負けなし優勝常連校。
人気・実力どれをとっても劣っている湘北。
何度突き放されても、驚異的な粘りで追いつく。
会場中が絶対勝つと思っていた山王を破る番狂わせを演じる。
すんごい感動します。面白いです。
結果知ってるのに、何度読んでも泣きます。
そして、それを現実にやったのが、なでしこジャパンです。
アメリカ代表・・・一度も勝った事が無い相手、世界ランキング1位、デカイ、スピードある、全員二重まぶた。もう最強。高校野球ならPL学園(しかも清原・桑田がいた頃)。V9時代の巨人。千代の富士。マイケルジョーダンがいた頃のシカゴブルズ。
もう絶対的に強い、対戦が決まった時点で絶望的な気持ちになる相手。
それが、今回のアメリカ。
10回やって、1回勝てるかどうかの相手。
(今回も試合は2-2だった。厳密には引き分けとも言える)
実際、試合が始まっても、アメリカ早い、強い。
ゴールポストにはじかれたシュートが3本あった。助かった。
ほんと、序盤の20分くらいは、中学生と高校生くらいの差を感じた。
papinは、「アメリカ、早くてデカイ」(←ビビってる)
しかしなでしこは冷静。「こんな攻撃、ずっと続かない」。実際、20分頃から怒涛の勢いは消える。だからと言って、日本が反転功成に出たかといえば、そうではない。押し込まれ、低い位置からのビルドアップは、分厚い守りに潰される。決定的なシーンを作ることなく前半終了。後半も、ほとんどそんな状況の中で失点。papin思いました、「どうやってこのアメリカから点を取るの?」中盤でツヨイプレッシャー、前線にボールを入れると、即潰される。そんな中で、メンバー交代。安藤→永里、大野→丸山。大野outは、papin的ショックだった。永里が、前線でボールを受けだす。スペースに飛び込むのは安藤だが、ポストには永里だろう。丸山がこちょこちょ動き回る。いい流れが・・・と思い出したが、宮間→川澄→永里とつないでチャンスを迎えるが、囲まれた永里、出しどころなくカットされたボールを一気にフィード。モーガンにぶっちぎられ失点。カウンター一発、モーガン一人にやられた。ここから我慢の時間が続くが、右サイドにまわった川澄が、ボールを追いかけ、高い位置で日本ボールのスローインを2度ほど獲得する。決定的なシーンは未だ無いが、高い位置でボールが動き出すようになったとき、右サイドでアメリカDFがクリアしたボールを川澄がカット!即パスで永里が突破、切り替えして中に低いクロスを丸山に。丸山はディフェンダーに潰されるが、こぼれ球の処理を焦るアメリカディフェンダーが闇雲にクリア。それが味方選手に当たったこぼれ球を詰めていた宮間が蹴りこんで同点!今までの時間で、唯一と言っていいくらい、決定的なシーンで、同点ゴールをものにする。今考えると、アメリカは、ゴール前がバタつくようだ。似たようなシーンが後に2度あった。後述するが、その内1回は、後の日本のゴールの遠因となる。同点に追いついてからは、日本アメリカとも攻め込むが決めきれず同点で延長へ。延長戦は、さすがに足が止まりがちだが、アメリカは持ち前のスピードと突破力で、サイドからクロスを上げてくる。日本のプレッシャーが弱くなっていた。距離を詰めるのではなく、ドリブル突破にも対応できるようなニュートラルなポジショニングだったように思う。解説者からも「簡単に(センタリングを)あげさせてはいけない」と再三指摘が入る中、左サイドからの攻撃を一旦跳ね返すが、こぼれ球を拾われ、サイドを深くえぐられ、早いクロスがゴール前に。エースのワンバックがスタンディングヘッドで、勝ち越しゴールを決める。本日唯一、熊谷のマークが外れた瞬間だった。ここまで見ていた人なら、この時点でかなり厳しい状況だとわかるはずだ。papinも正直、諦めかけていた。「やっぱりアメリカは強いな」
しかし、澤選手は、
「優勝するシーンしか想像できなかった」
澤選手だけでなく、ベンチも含め全員がそうだったのでしょう。
アメリカリードの重苦しい雰囲気で、時間はどんどん過ぎていき、延長前半終了。延長後半に入り、中盤の高い位置で、日本ボールが回りだす。澤が前を向いて、スルーパスを何本か通すようになる。フィニッシュには至らないが、ゴール前を脅かす。いよいよ同点シーンが近づく。澤(だったはず)のスルーパスに近賀が飛び出す。近賀は、前半から献身的にオーバーラップしていた。逆サイドの鮫島がなかなか上がれない分もあったのかもしれない。キーパーと1対1のシーンで、トラップと同時にキーパーをかわすが、後ろからの難しいボールでコントロールがしきれない。が、そのボールがゴールマウスに吸い込まれそうになるところ、アメリカのディフェンダー(先程、丸山と絡んだ)がギリギリクリアーして、日本のコーナーキック。ここで、アメリカGKのソロが倒れる。先程の近賀の飛び込み後、味方と交錯し足を負傷したようで、ピッチにドクターなどが入ってくる。この日3度目のアメリカゴール前のゴタゴタが日本のゴールに結び付く。ソロの治療時間中に、宮間と澤が打ち合わせる。「ニアだ」。再開され、宮間がコーナーキックを蹴る前に走りこむ澤。ヘディングならディフェンスに潰されていたかもしれないが、短めのクロスに足(右アウトサイド)でチョコンとあわせる。マークに付いたディフェンスより一歩前に出た、一瞬の出来事に動けないワンバックをかすめゴール!!!この状況でここしかない!ってところに蹴りこむ宮間のキック、相手にとって、脅威だろう。日本にとっては、味方で良かった。そしてギリギリの状況で蹴りこむ澤。あれを決めれるのは、世界で澤だけだろう。メキシコ戦でも同じようにニアで決めたが、あのときよりも、数百倍難しいシチュエーションだった。だが、決めた、同点!残り時間4分ほど。追いつかれたアメリカは意気消沈。papinも経験あるが、追いつかれるというのはしんどい。「もう1点頑張らんなアカンのか・・・」となる。逆に日本はイケイケどんどんで、ゴール前を脅かすが、ホッスルで延長終了。2-2の引き分け。先制され同点、勝ち越されまた同点に追いつく。数少ない決定機を確実にモノにした日本。対して、数々の決定機をモノにできず、同点にされたアメリカ。絶対的王者を消耗させ、追い込んでいるのは確実だ。PK前の打ち合わせ、坦々とするアメリカに対し、笑顔で送り出す日本。アメリカだけでなく自身を乗り越えたように見えた。
狙われる者よりも、狙う方が強いんじゃ(by菅原文太・仁義泣き戦いより)
そんな好対照なチームの雰囲気で、PK戦を迎える。
PKになれば、どっちが勝つかわからない。
日本のGK海堀。170cmは、女性としては大きい方だが、ゴールマウスに立つと、小さい。
一方、世界No.1GK・ソロ。181cm。ゴールマウスに立てば、デカイ。威圧感抜群。話したこと無いけど、何となくマツオカシュウゾウ的ホットな雰囲気。
しかもアメリカは、ブラジル戦でPKを経験している。ソロは、好セーブ連発で勝利に貢献した。
ここでもアメリカ優位は変わらない(←まだ信じ切れてないバカpapin)
アメリカ1人目・早い助走から右に蹴りこむも、海堀、足でナイスセーブ!PK失敗!
日本1人目・宮間は、ゆっくりとした助走でソロを焦らせる。ソロが左に動いた瞬間、右に軽く蹴りこむ。PK成功!宮間のPKを見た実況アナは、「落ち着きすぎている」と。自分ではとてもできないという賞賛90%・呆れ10%といったところか。確かにpapinもそう思った。ソロは、とってもイラついたことだろう。
アメリカ2人目・早い助走から真ん中上に蹴りこむも、上に外れる。PK失敗!普通じゃ考えられないような、思いっきりホームラン。アメリカに何が起こっているのか!?恐ろしく近づいたW-CUPにドキドキしだす。
日本2人目・永里。ソロを見ずに左にキックするも、ソロがセーブ!PK失敗。永里はこの大会、最後まで爆発できなかったように思う。この悔しさから、さらに精進してくれるでしょう。
アメリカ3人目・ブラジル戦ではここでワンバック(エース)だったのが、ヒース。軽い助走から左に蹴りこむも、海堀セーブ!PK失敗!ヒースはラピノーと交代した選手。ラピノーは、コーナーキックなど蹴っていたので、キックの名手と思われる。ヒースが外した事から、ラピノーとの交代(ヒースは、あまりゲームで機能していなかった)とワンバックとの順番入れ替えは、この日、唯一の采配ミスか。しかしこれが決定的なミスになってしまった。
日本3人目・阪口は、左隅に豪快に蹴りこむ。ソロに一度はじかれそうになるが、手を跳ね除けゴール!阪口、安堵する。ソロ、飛び上がって悔しがる。
アメリカ4人目・ワンバック。短い助走から、左上にゴール!大変落ち着いている。ブラジル戦では、3番目だったそうだ。ここにきてなぜ4番になったのか。結果論だが、悔やまれる。
日本4人目・熊谷。ここでGKのソロが、熊谷の近くを通って行く。さらにゴールエリアあたりまで出てきて、熊谷を睨みつける。思いっきりガン飛ばしてます。こんなシーン、ワールドカップで見たこと無いです!ソロが審判に怒られます「早くポジションに着け!」って。言われてもガン飛ばしてます。ソロを含め、全員わかってます。決められたら終わりだと。だからソロは、あからさまにプレッシャーをかけてきたのです。結果的に、3本止めた海堀が、「とにかく落ち着く」心理状態だったのに対し、ソロは最後まで興奮し、冷静になれなかった。それで普通だ。冷静にプレーするなでしこがミラクルなのだ、この状況で。
熊谷にもプレッシャーがかかります。決めたら勝ち、試合終了、優勝決定。でも外したら・・・ソロがガン飛ばしてきた挑発に乗らず、一度深呼吸して、空を見上げる。優勝決定のこのシーン、何度も放映されていますが、この直前にそんなやり取りがあったのです。(それを知ってるから、見るたびにpapin泣けてきます)
熊谷選手:責任はあったけれど、気負うことなくリラックスして蹴れた。
彼女が蹴ったボールは、ゴール左上に決まる。
すげぇ!
たとえソロといえど、上のコースは止めれない。状況を見れば、アメリカの2人目が上を狙いホームランをしている。しかし、ソロは、下への反応は抜群だ。確実に決めるには上しかない。優勝が決まるか決まらないかのシーンで、ソロにガン飛ばされても、気負うことなくリラックスしていた熊谷選手。papin惚れた。熊谷ラブ。
papin大号泣。
ボロボロ泣きながら、会社へ向かいました。
ああ、これほど幸せな出勤をした記憶が無い。
大会MVPは、澤。
決勝戦MVPは、宮間(FIFAは、海堀)
みんな頑張っていたが、熊谷もワンバックをよく抑えていた。
熊谷は、papinこれからも注目していく。
世界一の瞬間に、ピッチに立てなかった選手がいます。
岩清水梓。
延長後半最後、モーガンの突破をスライディングで阻止し、一発レッドカード。正直、イエローは仕方ないが、レッドか!?という印象。しかし、岩清水は、言い訳せず退場する。彼女のスライディングがなければ、勝ち越し点を決められていたに違いないという決定的なシーンだった。退場になると、ベンチにも入れない。優勝の瞬間をチームメイトとわかち合えない(表彰式は出れるけど)。だけど彼女は、この勝利に最後の最後、最も貢献した選手だと思います。彼女が優勝後、国旗を持っていた。そこにこう書かれていました。
東北のみなさんへ
忘れたことはありません。
いつも自分にできることを考えています。
今回「良い結果を届ける」その一心でした。
メダルを持ってみなさんのところへ会いに行きます。
待っていて下さい。
応援ありがとうございました。
共に歩もう! 東北魂!!
なでしこジャパン 岩清水梓
papin大号泣。涙が止まりませんでした。
岩清水、ナイススライディング、ありがとう!
papinが言いたいのは、とにかく絶望的厳しい状況だった。ただがんばれば勝てるような相手ではなかった。アメリカに勝つのは、とてつもなく難しいことだったということです。本当に厳しい戦いを制し、世界一になでしこジャパンはなったと思います。
なぜ優勝できたのか?いろいろ理由はあります。もちろん彼女たちの実力、いや、実力以上のものをこの大会で出したと思います。それは何だったのでしょう。
米国のGKホープ・ソロ 「何か大きな力が日本を味方していたと感じた」 ロイター
papinは、震災で亡くなられた・未だ行方不明の27000人が、見守り、なでしこに力を与えてくれたと思えてなりません。彼女達のひたむきであきらめない姿勢に感動し、助けてくれたのでしょう。ゴールポストに何本もアメリカのシュートがはじかれた時、そう感じました。
震災で傷ついた多くの日本人の心を癒し、明るくしてくれたなでしこジャパン。
国民栄誉賞を上げましょう!我々の誇りです!誉れです!
最後に、なでしこの計り知れない力を引き出してくれた世界最強アメリカ代表にも祝福あれ。
なでしこジャパン、本当におめでとう!本当にありがとう!
帰国した彼女達、昨日はTVに出ずっぱり。
でもユニフォームを脱ぐと、普通の女の子ですね。